不思議な話 実話 短編

兄のドッペルゲンガー

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このお話は、私が小学生の頃、実家にいた際に起きた出来事です。
始めに伝えておくと、よくある「誰かが死ぬ」「オチがある」と言った類の内容ではないです。
なので、普段そう言った話をよく読まれている方には退屈に感じるかもしれません。

ただ、これは私が人生で味わった最も奇妙な体験です。
その後何もなかったからこそ私は今も健康に生きていられるし、そこにリアリティを感じていただければ幸いです。
では、お話していきます。

私は4人兄弟の末っ子で、実家はどこにでもある小さな街の一軒家です。
2階建てになっていますが、2階は父の寝室となっており父以外が立ち入ることは基本的にありません。
1階は居間兼私と三男の寝室、食卓、母と長男次男の寝室、トイレで構成されています。

1階の構造は単純で、廊下が十字になっており、北に食卓、南に母と長男次男の寝室、西に居間兼、私と三男の寝室、東に進むとトイレになっています。
トイレを出ると正面に私の寝室、左に母と長男次男の寝室、右に食卓になってると思ってもらえれば大丈夫です。

ある日の夜9時頃だったと思います。
私は自身の寝室からまっすぐトイレに向かいました。

用を済ませトイレから出ると、右側の食卓から長男が左の寝室へ向かうのを見ました。

「寝るんだろう」と思い、私はお茶を飲むためそこから食卓へ向かったのですが。

食卓には先程寝室へ向かったはずの長男と次男、母がいました。

長男に寝室へ向かわなかったか訊ねましたが、向かっていないと一言。

不思議に思い、長男たちの寝室を見に行きましたが、長男たちの寝室は誰かいるどころか電気すらついていませんでした。

次男と見間違えたのかと一瞬思いましたが、次男も先程食卓にいるのを見ています。

トイレから直接食卓へ向かったので誰かが寝室へ行ったあと私より先に食卓に来ることは不可能です。
三男・父は自身の寝室にいたし、長男たちの寝室に行くことはまずありません。
というより、兄弟で背丈や髪型などまるで違うので、横切っていった長男を見間違えるはずもないのです。

ではあの日横切っていった長男は何だったのでしょう。
その日以降、何も奇妙なことは起きませんでしたし、長男も私も特に何事もなく健康に生きています。
奇妙な話としては起伏もなく、面白みのない話かもしれませんが、私は人生の中であの時ほど奇妙で不気味な感覚に陥ったことはありません。

投稿者:杏

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