実話 怖イ話 短編

廃病院の消えた階段

2
(1)

まだ学生だった頃、私たちは時間を持て余していた。
仲の良い男3人女2人のグループで集まる事が増えてきた頃、私は心霊スポットへ肝試しに行くことを提案した。
というのも、隣町に廃墟になった病院があるという噂を耳にしたからだった。
隣町なら簡単に行く事が出来るし、時間を潰すには丁度いい。
「次の休みに行ってみよう」と、みんなで楽しみに週末を待った。

初日は昼間に行った。
明るいからと舐めていたが、着いてみると建物は森に囲まれ、周辺は草が生い茂っている。
本当にこんな場所に病院があったのかと思うほどであったが、細道を進むと3階建の建物が見えた。

中へ入ると夜逃げでもしたのか、名前の書かれた書類や薬品のようなもの、ベッドなどもまだ残っていた。
気味が悪かったが、次第に慣れていき、毎週のように通う場所になっていた。

地元ではどんどん有名な場所になっていき、来る人もどんどん増えて行った。
私達はいつも屋上まで上がり来た人を脅かしたり、声をかけたり、夜に行く事も多くなっていった。

ある日、私たちはいつものように病院へ行き屋上にたまっていた。
その日は私たちの他には来る人がいなく、いつもの5人で霊安室を探そうということになった。
2グループに分かれてウロウロしていると、2階の1番奥の部屋に机が置いてあり、その上に何か置いてある。
近くにってみてみると線香だった。
火は消えているが匂いは残っている。
「なんだこれ?あったっけ?」
気味が悪くなり仲間と集まっていつものように屋上へ行くことにした。
少しすると、カップルが1組歩いて来るのが見えた。
2人は入り口まで来たが、中へは入らずに帰ろうと引き返しました。

私達はさっきの気味が悪い感じが残っていて誰か来て欲しかったので、屋上から声をかけた。
すると2人は懐中電灯がないので帰ると言っているので、持っていた懐中電灯を1つ貸すからと言って友人と2人で急いで下に降りた。
少し年上に見えるカップルに電気を渡して、一緒にいたら怖くないだろうと気を使い急いで病院の中へ入った。
その時にものすごい寒気を感じ、入り口で周りを見渡したが特に変わった様子はなかった
いつものように屋上へ上がろうとすると、3階から上がる階段が見つからない
「おかしいな」
この病院は3階までの階段は建物の両端と中央の計3つある
屋上へ上がれるのはそのうち一番入り口側の1つだけのはずだ。
念のため中央、反対のはじまで見に行ってみるが当然上へは行けない。
いくら暗いとはいえ何度も来ている場所、、、。
間違えようがない。
頭の中は?でいっぱいに。
もう一度戻って見たがやっぱりない。
壁があるだけだ。

「どういうことなんだ?」
と友人と顔を見合わせ、入り口に戻ってみると、さっきのカップルもどこにも見当たらない。
屋上を見上げると仲間たちがいた
ホッとしてみんなに声をかけ事情を説明したが、みんなからは「そんなわけないでしょ」と言ってみんな降りて来てくれた。
改めてみんなで行ってみると、さっきまで壁だった場所が階段に変わっていた。
「さっきまで壁だったのに」
結局懐中電灯を渡したカップルもどこかに消えてしまった。
それから何度行ってもそんなことはなく、誰に話しても信じてもらなかった。
いったいなんだったんだろう。

投稿者:ぺこ

星をクリックして評価してね

平均 2 / 5. 評価数 1

理由をお知らせください

-実話, 怖イ話, 短編

© 2021 #謎メッセ