不思議な話 実話 短編

深夜のターミナルビルで本当に起こった話

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これは私が実際に体験したお話です。
以前私は、地方空港で警備員の仕事をしていました。
24時間の勤務で、空港のターミナルビルが開館中は館内警備とお客様のご案内、閉館後は館内の見回りや防犯設備の点検をしていました。
普段は利用客や館内放送などで騒がしいターミナルビルも閉館後は静まり返ります。夜中はちょっとした物音にも驚かされたものでした。
勤務時間のうち、夜間は交代で仮眠を取ります。

その日、私は早めに仮眠を取り、深夜2時ごろに勤務に戻るシフトでした。
仮眠後の館内の見回りを終え、集中管理センターに戻ります。
そこはたくさんの防犯カメラの映像が複数のモニターに映し出され、遠隔で館内の監視を行う場所です。
数秒ごとに切り替わり、館内の様々な場所を監視しています。
私は同じシフトの同僚と雑談をしながらモニターを見ていました。
そのとき、国際線の到着ロビーに女性の姿が映りました。
ショートカットで長袖のパーカーを着ていて、手元には海外旅行に持っていくような大きなスーツケースが見えます。
一見すると今まさに到着した旅行客のようでした。
ただ、時刻は深夜3時過ぎ、ターミナルビルも閉館中なのでもちろん到着便もありません。
急いで監視カメラを到着ロビーに切り替えて映像を確認しましたが、誰も映っていません。
不審に思った同僚と私は、到着ロビーに向かいました。
しかし、そこには誰もいません。
トイレの個室や物置き、売店のバックヤードなど周辺を探しましたが、どこにも女性はいませんでした。
集中管理センターに戻った私たちは、監視カメラで重点的に到着ロビー付近を監視しましたが、結局女性を見つけることはできずに開館時間を迎えました。

開館後、ターミナルビルには徐々にお客様も増え、いつもの賑やかさが戻ってきました。
私の勤務時間も終了が近づき、次の勤務者へ引き継ぎを行っていました。
そのとき、緊急電話が鳴りました。
国際線到着ロビーで倒れたお客様がいるため、救急車を呼んだという航空会社の職員の方からの連絡でした。
現場に向かった私はお客様の姿をみて驚きました。
深夜に監視カメラで見た女性にそっくりだったからです。
同じシフトだった同僚も同じ思いだったようで驚いた顔をしていました。
女性は到着した救急車で緊急搬送されました。

後日聞いた話では、その女性は搬送先の病院で亡くなられたとのことでした。
あの日、その女性は間違いなく到着便に乗っていたお客様だったそうです。
あの監視カメラに映った女性は、この方だったのでしょうか。
あの夜、私がこの女性を見つけていたら、救急車を呼ぶような事態を避けることができたのでしょうか。
何とも例えようのない気持ちになった不思議な出来事でした。

投稿者:匿名

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