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四谷津鬼 村

4.7
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異世界に迷い込んでしまった出来事をお話しします。

今から約4年前の夏。当時私は千葉県在住で、ひとりで県内全般をドライブするのが息抜きになっていました。

ある日、私はいつものように1人ドライブへ出かけた。時間は午後2時くらいで、小雨が降っていた。
特にカーナビの目的地も設定せず、車内のラジオと外の雨音を聴きながら走っていると、交差点に差し掛かった。
その先は、直進すれば都市部、左折すればのどかな風景、そして左手前に進めば山道。
私は興味本位で山道を進むことにした。

しばらく走っていると、時おり盛土場を見るくらいで、こんなものかと思っていると、ふいに『次は1.4キロ先、左折です』、『300メートル先、踏切があります』 と、カーナビが言い出した。
最初は気づかなかったけど、ナビ入れてないぞ?と気づいた。するとラジオが砂嵐の音になり、聞こえなくなった。

思わず車を止めて、ラジオのチャンネルを変えたが、全て砂嵐だったので切った。
一方、ナビの画面をタップしても、ずっと直進の道のみで1.4キロ先に曲がる道もない。
何で?ナビ設定してないのに!しばらく車を止めたまま、気づいた。
雨音がしない。雨は今でも降ってるのに、なぜ・・・?
うすら寒いのを感じて、車を走らせた。怖さもあって山道にも関わらずスピードを出して走った。
走りながら一瞬、白い霧が立ち込めていたのでそのまま飛び込んだら、雨は止んでいた。
その代わり、空が真っ赤だった。

夕焼けかと思ったけど、出発した午後2時頃から、体感で30分しか走ってない。
何より空の上の雲が漆黒で、空が真紅の色。周りを見渡すと、いつしか山道を抜けていた。
そして次の瞬間、人を見つけた。いや、人と言うべきか。
顔も服も分からない位に、真っ黒な人のようなものが、うつむいたまま歩いてる。手足を動かさずに…。

急に怖くなって、スマホを見たらアンテナがゼロ。現在位置も不明で、電話やLINEも動かない。
カメラもスタンバイ中で一枚も撮れない。

ナビで現在地を確認したら『千葉県 四谷津鬼村』とあった。
“四谷津鬼…しやつぎ?おに?

辺りを見ると、昔話で出てくるような藁ぶき屋根の家が左右にずっと続いていた。そして、家の中から黒い人型がゆっくりとこっちに歩いてきたので、すぐに走り出した。

恐怖と不安でいっぱいになり、帰りたい一心でナビを自宅に設定して走り続けた。
途中、踏切と駅があり、踏切のすぐ隣に小さな駅があり、駅名は『四谷津鬼(しやつぎ)』とあった。
上りと下りは分からないが、片方は『君去妓』。もう片方は…『埜辻見』とあった。

その後走れどカーナビは左折というのみ。結局、左折を4回し、4角形に動かされてると気づいたので、ナビを無視して直進し始めた。
すると、『目的地周辺です。お疲れ様でした。』と言った後に、『長時間の運転お疲れ様です。休憩しませんか?』と、男性の声でアナウンスがあった。男性?
その後も『休憩しませんか?』、『休憩しませんか?』と、複数回言ってきたが、無視して直進すると交差点になり、いつしか空は真っ赤ではなく、いつもの夜だった。
するとコンビニを発見。
他の車も走ってたので、やっと戻って来れた!と喜び、コンビニの駐車場に停車した。

今の時間を確認しようとラジオをつけると…
低い声で、『あーーーーーー』という、ナビと同じ男の声と、後ろの方で『アハハハハ!』と小さな子どもの声がして、また砂嵐の音が。
また怖くなって、“ラジオは幻聴だ!気のせいだ!”と泣きそうなのを堪えてコンビニへ。
目に入った店員を見ると、水色の半袖を着た肌が真っ黒で人かも分からないのが、やや前のめりな体勢でいた。
頭が少し下を向いたまま『いらっしゃいませ』と言われたが、その姿はまるで、首吊りのロープが少し短くて、首元から上に少し引っ張られてる感じ。…と思った瞬間、店員がバッ!とこっちを向いて笑いながら『早く来い』と言ってきたので、全速力で退店。

そこからは、何処をどう運転したかは覚えてない。気付けば公園に居た。
ラジオからはいつもよく聴く番組が流れ、周りも夕焼けに。歩行者も、散歩中の犬もいて、ファミレスも見つけて心の底から安堵し、帰路についた。

以来、私は時と場所を変えて幾度か異世界へ行っています。
それはまた、いつかどこかでお話ししましょう。

投稿者:ルシファー

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