実話 怖イ話 短編

トイレさんのお兄さん

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私が小学5年生だったころ、学校で「トイレさん」という遊びが流行りました。

①17時30分、折れた鉛筆か壊れたシャーペンをもって、誰もいないトイレに行く
②前から4番目のトイレのドアを3回ノックする
③中に入って、ペンを好きなところに置く
④「トイレさん」と3回、「つかってください。」と1回唱える
⑤ペンを置いたまま、トイレから出る

私の学校では、その遊びをした翌日に、「学校のどこかの壁に文字が彫られる」という怪奇現象が起こりました。

噂では、どこかのクラスの女の子が、壊れたシャーペンをトイレのゴミ箱に捨てたことから始まったのだそうです。「トイレさん」の意味は知りません。

「トイレ」や「イルヨ」や「ヲエカキ」というカタカナの文字が彫られているのが本当に起こって、一気にウワサが広まりました。

私も一度だけ、理科室の棚と棚のすき間に、「タノシイ」という文字を見ました。その棚のすき間は小学生の私でも腕がギリギリ入るかぐらいの大きさだったので、どうやって力いっぱい削ったのかな、と疑問に思っていました。

当然、誰かがイタズラをして学校の壁に彫ったんだと騒ぎになりました。
担任の先生が遊びをやめるように注意したり、放課後、先生が見回りを強化したり。

しかし、トイレさんは見つからず、壁の文字も何回か続きました。

クラスだけで流行っていた遊びって言ったのは理由があります。

トイレさんの文字彫りが少しずつなくなっていって、落ち着き始めた頃です。

私の元クラスメイトには自称・霊感があるらしいAがいます。

突然、Aが「トイレさんのお兄さんなんだ」と名乗り始めました。

壊れたシャーペンや鉛筆を毎日、何本ももってきて、「トイレさんにあげないと」と呟くようになりました。

そのあと、一回だけ壁に文字が彫られました。

「ニイサン」

Aがトイレさんなんじゃないか?って噂が広がりました。先生もAに話を聞くようになったり、家庭訪問もおこなったりしたそうです。しかし、ニイサンと書かれた日の夜は、Aがちゃんと家にいて、夜も出かけていないことを親が確認していたため、疑いはなくなりました。結局、トイレさんが誰なのかはわからず、小学校を卒業しました。

最近、同窓会があって久しぶりにAに会ったので書いてみました。

Aは当時の自分のことや、トイレさんのことを覚えていないみたいでした。もう霊感があるともいわず、普通に社会人をしているそうです。

投稿者:匿名

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