実話 怖イ話 短編 閲覧注意

事故物件を見つけた時の話

3
(1)

これはあまり世に出ていない話だと思います。不動産業者に働きたい人が減るかもしれません。

私が、不動産屋で働いていた時に起きた出来事です。

ある日、一本の苦情電話が来ました。
この不動産屋は地元に密着していて、大家さんから管理を委託され、入居から管理、退室後のリフォームまでやっている会社でした。
私は、営業兼、苦情処理として働いていました。

苦情としての連絡のため、私に連絡が回され対応しました。
内容を聞き、直ぐに対応致します。と返事をして、電話を切りました。
電話の内容は、「魚が腐ったようなにおいがする」と言う話でした。
しかし、私がいる本店で管理していない所だったので、直ぐに、管理管轄の支店に向かいました。
そこに行って、家賃支払い状況を確認しました。
あるマンションの一室だけ家賃の支払いが遅れており、その部屋だと判断。そして、その担当区域の担当者を連れて、現場に急ぎました。

まず、物件の外を確認しました。
窓はカーテンが締まっており、内部の確認は出来ません。
ただ、外でも魚が腐った臭いを感じました。

玄関に周ってみると、玄関の扉の下から、大量のウジムシが這い出ていました。

私は確信しました。
中で誰かが死んでいると。

なので、連れてきた担当者ではなく、私だけが部屋に入る事にしました。
部屋の前まで来ると、魚が腐ったようなにおいは濃くなりました。
分かってはいますが、呼び鈴を鳴らし、ドアを叩きます。
が、返事はありません。

仕方なく、担当者から渡された合鍵で鍵を開けました。
途端に、目の前に黒い塊が一斉に飛び出し、私の身体に突撃してきました。
正直、何が起こったのかすら分からない状態です。

部屋の中から飛んで来た物の正体は、蠅でした。
もうこうなると、確信しか無かったです。

私は蠅にたかられながら、担当者に警察に電話をする準備を指示しました。
部屋の中はカーテンを閉めているため、真っ暗です。
開けた扉から入る光だけが室内を照らし、部屋の内部ではブーンと言う蠅の羽音だけが響いていました。まだ、外にいる私の身体に何匹もの蠅が当たって来ました。

日で照らされた場所の床に、大量の蛆ウジムシが床を占有していました。
意を決し、私は、部屋に突入しました。
一歩歩くごとに、靴の底から、プチプチ・・・
プチプチ・・・
と踏みしめる感触と音。そして、蠅の羽音が恐怖をあおりました。

そこに、地区担当が、大丈夫ですか?と声をかけて、来たので、大丈夫だから、お前は見るなと制止するように伝え、更に奥に進みました。
私の担当エリアではないので、物件の詳細は分かりませんが、長い間、賃貸の不動産に立ち会って来た人なら、どこに電気のスイッチがあるか分かるので、まず、ダイニングの電気を付けました。

そこで、分かったのは、大量の蠅と、床にびっしりいるウジムシがいる事だけ。
1DKの部屋で、ダイニングの電気を付けても、中が分かりませんでした。
ただ、その奥に、カーテンの隙間から見える光が見えました。
なので、私は、そこに向かい、足を向けました。

プチプチ・・・
プチプチ・・・床に広がるウジムシがいる上を・・・

ウジムシがいる上を歩く事がどれだけ、恐怖か分かりますか?さらに、蠅が身体に突撃する感触や、素肌に止まる不快感。
私は、西洋で、ゼルベブブと言う、蠅の悪魔が作られたのは、こういう事なのだと思いました。

口を開ければ、その中に、蠅が入ってくるので、その中で話すと、口の中で、蠅をつぶしながらしゃべらなければいけなくなります。
鼻の近くに蠅が止まれば、鼻呼吸を邪魔されます。
なので、地区担当の問いに答えられなくなっていました。

小さなカーテンの隙間から落ちる光で、目が慣れてきたのか、室内の状況が少し把握出来ました。
中央に布団が敷いてあるのが分かり、私は、それを避け、一直線に、窓がある所へ向かいました。
当然、ウジムシがいる床の上を。
そして、カーテンを開け、窓も開けました。
蠅が窓から出ていったので、数が少なくなり、部屋の全容が把握できました。

布団を見ると、そこには、赤黒い頭。
布団をはぐると、ベリベリと音を立て、その姿を現しました。
それを確認し、すぐに地区担当に、警察に連絡をするように指示を出しました。その後、警察に私一人、事情聴取として行かなくてはいけなくなりました。

後日談。
この物件の人は一人暮らしの男性で、胃癌だったらしいです。その後、事件性は無いと明らかになりました。
しかし、死んで数ヶ月経っていたらしく、寝ていた布団から、畳を通り越し、畳下の床まで油が沁み込んでいたので、大規模な改修工事とお祓いをおこないました。
その後、格安な値段で物件の貸し出しをしましたが、私が勤めていた時は、数回、契約がありました。
結構、短い間隔で人が出ていったり、住み始めたり。霊障的な問題が起きたのか、周囲からそう言う事があったと聞いたのかは分かりませんが。

投稿者:音無

星をクリックして評価してね

平均 3 / 5. 評価数 1

理由をお知らせください

-実話, 怖イ話, 短編, 閲覧注意

© 2021 #謎メッセ